HTM講座第3回 「推論のかたち」

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2025/04/30 13:59

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How to Think like a Mathematician-「HTM講座」の第3回です。

 

前回は、ガイダンスとして、講座全体のロードマップ-〈目標達成までのプロセス〉を確認しました。

 

今回から本格的な講義に入りますが、「数理論理学」の本題に入る前に、この問題を解いてみてください。

 

【問題】

4枚のカードが、テーブルに置かれている。

それぞれのカードの片面には数字が書かれていて、その裏面には色が塗られている。

今、奇数(3)・偶数(8)・青の面・赤の面が見えている状態である。

このとき、「カードの片面に偶数が書かれているならば、その裏面は赤く塗られている」というルールになっていることを確かめるために、ひっくり返す必要があるカードはどれか?

最低限の枚数で、ルールが守られているかどうかを確かめてほしい。

(反転させる必要がないカードを反転させるか、反転させる必要があるカードを反転しない場合、課題に失敗したとみなされます)

 

・・・さて、答えは出ましたでしょうか?

 

正解は、「偶数(8)のカード」と「青(赤ではない)カード」をひっくり返す、です。

 

・・・いかがでしょう。ルールが守られているかどうかを検証するために、最低限調べなければならない要素を推論する問題でした。

 

では、この問題をこのように変えるとどうでしょう?

 

4人の人物が、飲み物を飲んでいる。

それぞれ、

・18歳で何を飲んでいるか不明

・22歳で何を飲んでいるか不明

・年齢不明でオレンジジュースを飲んでいる

・年齢不明でビールを飲んでいる

 

さて、「アルコール飲料を飲んでいる人は20歳以上でなければならない」というルールが守られているかどうかを検証するために、最低限調べなければならない人物は誰か?

 

・・・どうでしょう?・・・この問いに悩む方はまずいらっしゃらないかと思いますが、先に挙げたカードの問題と構造が同じであることに気づかれましたか?

 

これは心理学者ウェイソンの考案した論理問題で、正答率が非常に低いことが知られています。

 

私たちが日常生活で出会う推論ルールは、どちらかというと厳密な論理学に基づいたものというより、社会経験を通じて自然に学んだものです。

 

人間の「推論」は「文脈」に依存する傾向がある・・・というわけで、今回は「推論のかたち」というテーマでお話させていただきました。

 

社会的文脈から離れた記号を要素として取り入れただけで、人間にとって扱いづらい問題になってしまいます。

 

「具体」と「抽象」という2つの層の違いを意識して、必要に応じてその間を行き来できる人がどれほどいるでしょうか・・・

 

そういったこともふまえながら、次回より「数理論理学」という分野を学んでいきます。

 

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